無意識のおさらい
わたしは自分の生き方を変えるという作業をしています。
その中で、無意識にセットされたわたしの価値観を意識化するということにチャレンジしています。
そこで、改めて確認しておきたいのは、意識と無意識(潜在意識)という概念です。
これもまた、いまさら何を・・と叱られそうですが。一応確認させてください。
フロイトの考えた無意識
無意識を発見したのは誰もが知っている「ジークムント・フロイト」です。
彼は、人間の心の構造は「意識、前意識、無意識」の3つの階層からなるとしています。
意識とは、自分がしていること、考えていることに気がついていることです。
前意識とは、意識と無意識の間で、注意や意志によって意識化できる領域のことです。
無意識とは、意識の奥底にあり、意識化できない人間の行動や思考の動機になるもののことです。
ユングの考えた無意識
もう一人、「カール・グスタフ・ユング」についても触れておきます。
彼は、フロイトと共に精神分析学を発展させていましたが、「無意識」についての意見が相違したことで距離を置くようになりました。
ユングは無意識を、「個人的無意識」と「集合的無意識(普遍的無意識)」の2つの要素に区別しています。集合的無意識は、普遍的無意識とも呼ばれていて、昔から現代まで変わらない、人間の無意識の根底となる心理構造のことを指します。
彼は、物事を捉えるとき「人類の心の中で脈々と受け継がれてきた“何か”がある」と考えていました。
みんな繋がっている?
このへんの話をすると、海に浮かぶ氷山の絵を思い浮かべる人も多いと思います。
海面から出ている部分が「意識」で、海中に沈んでいる大きな部分が「無意識」です。
そんな感じです。
ですが「無意識」が「意識」の下、上下の階層になっているとイメージするのは、わたしはちょっと違うのではないかと思っています。ただ、なんとなくですが・・。
ちなみにわたしはユング心理学の研究と実践をされていた、河合隼雄先生が好きでした。
その影響というわけではありませんが、「集合的無意識」という概念は気に入っています。
こころのいちばん深いところでは、みんなが繋がっているっていいじゃないですか。
RASってなに
さて、わたしたちは1日に35,000回もの選択をしていると言われています。
そしてその95%は無意識によって行われているということが脳科学によってわかっています。
人生は選択の連続だ・・と言われますが、そう考えると人生は無意識によって営まれ、意識はそれを眺めているだけのような気もします。
ちなみに、脳は 1秒間に約1100万ビットの情報を感覚器官から受け取っています。
しかし、脳がそのうち実際に 意識的に処理できるのは約40ビットだと言われています。
そしてこの意識に上がってくる情報を選択しているのが、RAS(ラス)という脳の機能です。
「Reticular Activating System」の略で、脳幹網様体賦活系(のうかんもうようたいふかつけい)という脳の中枢機能の1つに分類されます。
また、よく言われる「引き寄せの法則」とかは、このラスの機能をうまく使ったもののようです。
脳は省エネ
脳は体重の2~3%しか占めていないにもかかわらず、1日に約350~450kcalのエネルギーを消費します。これは、からだ全体のエネルギー消費の約20%に当たります。
脳は非常に多くのエネルギーを必要とするので、RAS機能を使ってエネルギー消費を最小限にしているのです。
ノーベル賞学者ダニエル・カーネマンが解き明かした 「ファスト&スロー」(速い思考と遅い思考)いう脳の習性も、省エネに関係しています。
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